褐毛和種生産振興 ネットワークについて

褐毛和種生産振興ネットワークの概要

褐毛和種生産振興ネットワーク設立の目的

褐毛和種生産振興ネットワークは、褐毛和種生産者のクオリティ・オブ・ライフ (QOL) を向上させ、持続的な褐毛和種生産体系を可能にするために農林水産省「平成28年度戦略的技術開発体制形成事業」を受けて平成29年2月に設立されました。
高知大学農林海洋科学部を拠点とし、高知県の生産者、企業、畜産試験場、大学に限らず、熊本県、宮城県などの研究機関と連携し、地域や牛の品種を越えた研究ネットワークが特長です。メンバーは幅広い分野の専門家で構成され、褐毛和種にご興味のある皆様の技術的なニーズに応えていきます。

主な活動内容

  • 技術・情報提供の相談窓口
  • 課題解決に向けた研究活動
  • ネットワーク機関からの技術提供
  • 開発した技術の指導・実装支援

褐毛和種(あかげわしゅ)とは?

和牛の品種

和牛には黒毛和種、日本短角種、無角和種そして褐毛和種の4品種が存在します。黒毛和種は日本全国で約158万頭飼養されています。一方、褐毛和種は約2万頭と少なく、貴重な存在となっています。

  • 黒毛和種
  • 日本短角種
  • 無角和種
  • 熊本系
  • 高知系
  • 褐毛和種
和牛の品種別割合 平成29年2月末時点  独立行政法人家畜改良センター 褐毛和種〈熊本系〉約1万9千頭 1% 褐毛和種〈高知系〉1,900頭 0.1% 日本短角種 無角和種 黒毛和種 約158万頭 98%

褐毛和種は熊本系・高知系の2種類

  • <熊本系>
  • <高知系>

褐毛和種は熊本県と高知県で飼われていた朝鮮牛から、独自に改良された品種です。それぞれの土地に根ざした特徴を持ち、褐毛和種熊本系(くまもとあか牛)は、放牧に強く体型は高知系に比べやや大型です。褐毛和種高知系(土佐あかうし)は、目の周り、角、舌、蹄などが黒い「毛分け」といった外見上の違いがあります。
褐毛和種のお肉は黒毛和種と異なり、“霜降り”ではなく「赤身と脂肪のバランスの良さ」が特長です。最近では、くまもとあか牛、土佐あかうしともに人気が高まっている一方で、その頭数および生産者数の減少が大きな課題となっています。

褐毛和種生産振興ネットワークの参画機関

褐毛和種生産ネットワークには全国の研究機関、大学、企業など13機関が参加しています。
(2017年5月時点:予定もふくむ)

中部

名城大学 理工学部

東北

宮城県畜産試験場

関東

農研機構 畜産研究部門
  〃 生物機能利用研究部門

九州・沖縄

熊本県農業研究センター

四国

高知大学 農林海洋科学部
高知県立大学 健康栄養学部
高知県畜産試験場
(株)れいほく未来
(株)れいほく畜産
(株)四国総合研究所
(有)恵比寿電機
(有)サットシステムズ

参画機関一覧

参画機関名 所在地
高知大学農林海洋科学部 〒783-0093 高知県南国市物部乙200
株式会社れいほく未来 〒781-3401 高知県土佐郡土佐町土居31番地
株式会社れいほく畜産 〒781-3617 高知県長岡郡本山町寺家241番地1
株式会社四国総合研究所 〒761-0113 香川県高松市屋島西町2109番地8
有限会社恵比寿電機 〒781-1103 高知県土佐市高岡町丙266-3
高知県立大学健康栄養学部 〒781-8515 高知県高知市池2751番地1
名城大学理工学部 〒468-8502 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501
熊本県農業研究センター 〒861-1113 熊本県合志市栄3801
高知県畜産試験場 〒789-1233 高知県高岡郡佐川町中組1247番地
宮城県畜産試験場 〒989-6445 宮城県大崎市岩出山南沢字樋渡1
農研機構 畜産研究部門 〒305-0901 茨城県つくば市池の台2
農研機構 生物機能利用研究部門 〒305-8602 茨城県つくば市観音台2-1-2
有限会社サットシステムズ 〒780-0051 高知県高知市愛宕町3-12-13-2F

農水省ネットワーク形成事業について

戦略的技術開発体制形成事業

これまで民間企業・研究機関・大学等では、技術的成果があげられたとしても、現場に一致せず実装出来ていない事例が散見されました。また、生産者が技術的課題を気軽に相談できる窓口がないといった課題に直面していました。
これらの課題を解決するため「日本型フードバレー※」構築を目指し、研究ネットワーク形成事業は拠点機関に相談窓口を常設し、生産者が経営上の技術課題をいつでも相談できる体制を構築すること、そして研究ネットワーク構成機関が一体となり即現場で活用できる技術を開発することを目的としています。

詳細は農水省HP、農林水産省農林水産技術会議HP「平成28年度戦略的技術開発体制形成事業公募情報について」をご参照ください

※「フードバレー」

フードバレーとは、オランダの食関連企業と「知」が集積したエリアの総称です。
オランダのフードバレーは、ワーヘニンゲン大学を拠点として約8000人の科学者、1500の食品関連企業、70の化学企業、20の研究機関が集まり、世界規模の研究開発拠点を築くことで農産物輸出額世界2位を可能としています。近年では、日本でもフードバレーを目指した取り組みが始められているところです。